ともによりよく生きるために:「辛抱する心」

この世には、善人もいれば悪人もいます。
法を犯す者がいれば、人を欺こうとする者もいる。
昔も今も、こうした存在が完全になくなることはありません。
松下幸之助氏は、この世界は善と悪、美と醜が入り混じることで成り立っていると説いています。
私たちは誰しも真善美を求めますが、現実の世界は理想だけでは成り立たないのです。
では、この不完全な世界をどう生き抜くか?
そこで鍵となるのが、「辛抱する心」です。
言い換えれば、「寛容の精神」を持つことが不可欠なのです。

『理不尽なことは必ず起こる——だからこそ、寛容さが求められる』
世の中には、理不尽なことが溢れています。
仕事をしていても、思い通りにいかないことは山ほどあるでしょう。
ビジネスの場でも、不誠実な相手に出会うことがあるかもしれません。
もちろん、そうした相手を許せないと思うのは自然なことです。
しかし、仮にすべての理不尽に怒り、正面からぶつかっていては、身が持ちません。
では、どうすればいいのか?
松下氏は、こうした世の中の本質を理解した上で、「受け流す力」を持つべきだと説いています。
■理不尽があることを前提に、冷静に対処する
■不誠実な相手に振り回されず、自分の軸を持つ
■目の前の出来事に過剰反応せず、一歩引いて全体を見渡す
こうした「辛抱する心」を持つことで、余計なトラブルを回避し、事業や人生をスムーズに進めることができるのです。

『「怒り」をコントロールし、事業を守る』
私自身、振り返ってみると、理不尽な出来事に何度も遭遇しました。
不本意な状況に置かれ、怒りが込み上げたこともあります。
しかし、そのたびに感情のまま動いていたら、事業も人間関係も破綻していたでしょう。
冷静に考え、相手の立場や事情を察し、時には辛抱する心を持つことで、物事が円満に進んだことも多々ありました。

『「辛抱する心」こそが、成功の土台となる』
■世の中には、必ず理不尽が存在する
■すべてに怒っていたら、エネルギーを消耗するだけ
■冷静に受け止め、対処する力が、成功につながる
辛抱する心とは「我慢」ではなく、「大局を見据える力」です。
一歩引いて考え、感情に振り回されず、長期的な視点で物事を見る。
この姿勢こそが、自分の人生や事業を守り、発展させる鍵になるのではないでしょうか。

⇦「『道をひらく』(松下幸之助著)を読む28」


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