『道をひらく』(松下幸之助著)を読む109【自主独立の信念をもつために】:「要約編」
【自主独立の信念をもつために】の振り返り
八番目の大きな章である「自主独立の信念をもつために」を読み終えました。
前の章に続いて、どのような感想を持たれましたでしょうか。
それではここでも、私なりに各小章について、理解した内容を以下に要約してみます。
「自得する」:自らの力で立つ。そして勇気をもって厳しさに立ち向かう。
「虫のいいこと」:自然の流れに反することは長続きしない。自分の都合を押し付けるのではなく自然の理に順応する。
「恵まれている」:自分の境遇に感謝する。自分の境遇が恵まれていることに気づきくための修業をする。
「こわさを知る」:怖い存在がいるということは幸せなことである。そうでなければ自分を御することは難しい。
「あぐらをかく」:地位にあぐらをかいて働かないものは邪魔である。地位が高い人ほど自分を戒める。
「乱を忘れず」:どんなに盤石だと思っていても乱は必ずやってくる。平時にこそ変事への備えを忘れてはならない。
「後生大事」:全身全霊で仕事に打ち込むことで能力が生きてきて成功に至る。要は一心不乱に目の前の仕事に没入することである。
「己を知る」:敵を知る前にまず己を知る。そのうえで敵を知れば戦に負けることはない。
「身にしみる」:やらなければ命がないという環境下で仕事をする。そこまで身に染みる思いで仕事をしているかを考える。
「正常心」:非常事態で許されたことでも正常に戻れば通用しなくなる。平時には平時の常識が必要となる。
「わが身につながる」:責任の押し付け合いでは世の中が回らない。皆が自責の念を持つことで世の繁栄と平和につながっていく。
「教えなければ」:先人から渡される知恵がないと人類の進歩はない。次世代に教えることにもっと熱意を持ちたい。
「学ぶ心」:自分の知恵はすべて他人から教わったもの。人からだけではなく自然や宇宙からも謙虚に学ぶ心が繁栄の第一歩。
「もっと平凡な」:自然の流れを手前勝手な理屈で解釈しない。誰もが納得するシンプルな自然の理に思いを馳せよう。
「敬う心」:敬う心がなければ教えは身につかない。謙虚な心で相手を敬うことで教えは本来の姿で伝承される。
「身につまされる」:ことなかれの日々が続く味わい薄い人生でよいか。喜びも悲しみも身につまされる思いの中で深まっていく。
以上のことから、松下幸之助氏はこの章では次のことを言いたかったのではないでしょうか。
「自主独立とは自責の念を持ち人に敬意を払い厳しく自分を律して生きていくこと」
もっと言えば、
「自立を目指す」
ということ。
そして最後にある締めくくりの文章を引用します。
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それは、夢にすぎないだろうか
ただ おたがい おなじ国に生きる人間として
素直に心と心を寄せあい 手と手を握りあって
この国日本の 繁栄と平和と幸福とを
ひとすじに探し求めることができないだろうか
真剣になれば 意見の対立もおきるに違いない
だが、私たち日本人としての願いが一つなら
かならず そこに高い調和と力が生まれよう
それは 決して夢ではないはずだ
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松下幸之助氏は、日本に生きる私たちが立場や意見の違いを超え、素直に心を寄せ合い、手を取り合って国の繁栄・平和・幸福をともに追い求めることの大切さを説いています。
その道のりでは、真剣に考えればこそ意見の対立も避けられません。
しかし、それは分断の原因ではなく、共通する「日本をより良くしたい」という願いがあるならば、そこからより高い次元の調和と大きな力が生まれるはずだという。
互いを信じ、共通の志のもとに力を合わせれば、より良い社会の実現は決して夢物語ではない、その確信と希望が、この言葉には込められているのです。
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