「ともによりよく生きるために」の振り返り

三番目の大きな章である「ともによりよく生きるために」を読み終えました。
前の章に続いて、どのような感想を持たれましたでしょうか。
それではここでも、私なりに各小章について、理解した内容を以下に要約してみます。

「縁あって」:限りある出会いを大切に。つながりを強めることで光明が差す。
「あいさつをかわす」:感謝の心から出たあいさつをする。そこから良い人間関係が始まる。
「サービスする心」:サービスとは与えること。お互いが与え与えられることで社会は繁栄する。
「長所と短所」:補い補われることで共同生活が営まれる。それが完全な人間がいないこの社会の宿命。
「辛抱する心」:良い人も悪い人もいるのがこの社会。辛抱する心と寛容の精神が力となる。
「生かし合う」:生命は人為的に作り出せない尊いもの。他人より自分を下に置くことで双方が生きてくる。
「責任を知る」:人と人がつながりあっている世の中で自分と関係のないことはない。自他一如の心。
「真剣に叱られる」:いうべきことから目を背けない。真剣に叱り叱られるのが大事な勤め。
「人間だけが」:約束を守ることで世の中が回っている。これは人間だけが持っている高い精神性の働き。
「世間知らず」:礼儀正しくすることは万国共通の価値観。礼儀は思いのほか大きなパワーを秘めている。
「心を通わす」:人間万事塞翁が馬。どんな時も人と人が心を通わし協力しあうことで乗り越えていく。

以上のことから、松下幸之助氏はこの章では次のことを言いたかったのではないでしょうか。
「皆が仲良く楽しく暮らすことこそが幸せな人生」
もっと言えば、
「仲良く楽しく過ごす」
ということ。

そして最後にある締めくくりの文章を引用します。

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おたがいに はたたして真の大人だろうか
自分自身を過大視せず いやしめることなく
みずからのことは みずからの力で処する
きびしいひとり立ちの心がまえを
身にしみて 真剣に考えているだろうか
大人としての 深い責任感と気力をもって
今こそ この国日本の 正しく生きる姿と
ながい歴史に培われた その誇りとを確かめたい
世界の繁栄と平和と幸福を ともに築くために
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松下幸之助氏は、真の大人とは、自分を過大評価も過小評価もせず、自立し責任を持って生きる存在であると述べています。
私たちも、松下のおっしゃる「真の大人」として、今こそ、日本という国もの正しい生き方と誇りを再確認し、世界の繁栄・平和・幸福のために貢献すべき時ではないでしょうか。



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