ともによりよく生きるために:「心を通わす」

この世の中は、決して良いことばかりが続くわけではなく、かといって悪いことばかりが永遠に続くわけでもありません。
嬉しいことがあれば悲しいこともある。
一見、良いと思っていたことが後に問題を引き起こすこともあれば、逆に悪いと思った出来事が意外にも良い結果をもたらすこともあります。
だからこそ、最初から「これは良い」「これは悪い」と決めつけず、どんな出来事も謙虚に受け止めることが大切なのではないか——松下幸之助氏はそう語っています。
まさに「塞翁が馬」の考え方です。
幸運も不運も、その時点では本当の価値は分からない。
だからこそ、どんな状況であっても心を閉ざさず、素直に向き合うことが大切なのです。

『「心を通わせる」ことで、苦難を乗り越える』
これまでの人生を振り返ると、誰しも良い時もあれば悪い時も経験しているでしょう。
しかし、その時の心の持ちようが、その後の結果を大きく左右します。
■順調なときは、自信過剰や油断が生まれ、気づかぬうちに失敗の原因を作ることがある
■逆境に陥ったときは、もがきながらも懸命に努力することで、むしろ成長の機会につながることがある
このように、出来事そのものには本質的な「良い・悪い」はなく、それをどう捉え、どう行動するかが重要なのです。
松下氏は、「どんな状況であっても、心を閉ざさず、人と心を通わせることが大切」だと説きます。
それができれば、どんな苦難も乗り越えられる、そう信じることが、人生をより良くする鍵になるのではないでしょうか。

『「心を閉ざさない」生き方を実践する』
良いことも悪いことも、ただの出来事に過ぎません。
大切なのは、良い時に慢心せず、悪い時には「自分を磨くチャンス」として前向きに捉えること。
そして、どんな状況であっても、「心を開き、人とつながる姿勢」を忘れないことです。
■成功に酔わず、驕らない
■困難の中でも、人とのつながりを大切にする
■素直で謙虚な姿勢を貫く
こうした姿勢を持ち続けることで、人はより豊かに、より強く生きられるのではないでしょうか。
どんな時も心を閉ざさず、人との関わりを大切にする、その積み重ねが、人生をより良いものにしてくれるはずです。

「『道をひらく』(松下幸之助著)を読む36」➩

⇦「『道をひらく』(松下幸之助著)を読む34」


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