ともによりよく生きるために:「世間知らず」

松下幸之助氏は、旧ソ連の「生徒守則」の一部を引用しながら、礼儀や道徳の普遍性について語っています。
そこには、
■校長や先生への礼儀
■年長者への敬意
■老人や幼い子どもへの思いやり
■親のことを大切にし、兄弟を助けること
といった、人としての基本的な生き方が示されています。
興味深いのは、これはソ連特有のものではなく、世界中のどの国でも共通する価値観であるということ。
主義や思想の違いを超えて、人としての本質は変わらないのです。
しかし、今の世の中では、礼儀や道徳を重んじることが古臭いもの、面倒なものと捉えられる風潮もあります。
松下氏は、こうした考えこそが「世間知らず」だと警鐘を鳴らします。

『「礼儀」は人間関係の土台である』
確かに、礼儀は単なる形式ではありません。
■ 相手を尊重しない人は、無意識にぞんざいな態度を取る
■ 逆に、相手を大切に思う人は、自然と礼儀正しく振る舞う
つまり、礼儀とは単なるマナーではなく、相手に対する「敬意」の表れなのです。
ビジネスの現場でも同じです。
礼儀がなければ信頼関係は築けず、仕事も円滑に進みません。

『「礼儀の力」を仕事に活かす』
仕事で人間関係がうまくいかないと感じるとき、あるいは、トラブルが続くとき、
「自分は相手に対して礼儀を尽くしていただろうか?」
そう振り返ることが、大切な気づきにつながります。
もし、自信が持てないなら、これから意識的に「礼儀正しく接する」ことを実践してみるのも一つの方法です。
相手がどんな立場の人であれ、どんな状況であれ、誠心誠意、礼儀をもって接することを心がけてみてください。
すると、人間関係が変わり、仕事の流れが変わり、やがて「世界が変わる」ことを実感できるかもしれません。
礼儀の持つ力を、ぜひ信じて、ぜひチャレンジしてみてください。

「『道をひらく』(松下幸之助著)を読む35」➩

⇦「『道をひらく』(松下幸之助著)を読む33」


弊社へのご連絡は「お問い合わせ」メールをご利用ください。