【国の道をひらくために】:「ピンとくる」

■優れた組織は「即応力」で決まる
松下幸之助氏は、組織の力を測る最大の尺度は「間髪を入れず反応できるかどうか」だと説いています。
会社でも商店でも、そして国家でも同じです。
どれほど立派な理念や制度を掲げていても、変化に即座に反応できなければ、その組織は機能しているとは言えません。
合理化や生産性向上も、突き詰めればこの「即応力」から生まれます。
異変や兆しを敏感に察知し、瞬時に動ける組織だけが、時代の変化を乗りこなせるのです。

■人間の身体に学ぶ組織の理想形
松下氏は、その理想を人間の身体にたとえています。
たとえば足先を針で軽く刺されれば、瞬時に脳へ信号が届き、身体は反応します。
人間の身体は極めて複雑な組織でありながら、末端のわずかな異変さえ即座に中枢へ伝達する仕組みを備えています。
これこそ、組織のあるべき姿です。
現場で起きた小さな変化が、滞ることなくトップへ届く、そしてトップが即断し、適切な対応を取る、この流れが機能してこそ、組織は健全に動き続けます。

■情報が遅れる組織は必ず後手に回る
市場の変化、顧客の声、現場の異変、それらが途中で止まり、経営層に届かない組織は、必ず対応が遅れます。
企業であれば、大きな損失につながります。
国家であれば、災害や危機への対応が遅れ、国民生活に深刻な影響を及ぼします。
重要なのは、良い情報だけではありません。
むしろ都合の悪い情報こそ、速やかに共有される仕組みが必要です。
問題を隠す文化がある組織に、未来はありません。

■風通しのよさが危機を防ぐ
私の会社では、小さなことでも情報を共有する風土を大切にしてきました。
良い知らせも悪い知らせも、すぐに全員で共有する。
社員同士が連携しながら仕事を進めているため、情報がどこかで滞ることはほとんどありません。
朝礼や終礼でも状況確認を徹底し、必要な報告は即座に経営側へ届く体制を整えています。
そのおかげで、初期段階で問題を察知し、大事に至る前に対処できたことが何度もありました。

■「ピンとくる組織」をつくる
組織の規模は関係ありません。
小さくても鈍い組織は衰退しますし、大きくても敏捷な組織は成長します。
松下氏の教えが示しているのは、情報が素早く伝わり、即座に判断し、行動できる体制を築けということです。
現場の小さな違和感に「ピンとくる」、その感覚を組織全体で共有できるかどうかが、未来を左右します。
強い組織とは、巨大な組織ではありません。
変化に瞬時に反応できる組織です。

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