日々を新鮮な心で迎えるために:「花のように」

松下幸之助氏は、砂漠の清らかな泉や荒涼とした大地に凛と咲く一輪の花が、人々に憩いと慰め、そして励ましを与えると説いています。
この言葉を、私は現代の厳しい時代における心のあり方と仕事への向き合い方の教えだと受け止めました。つまり、私たち自身が泉や花のように、強く正しく働き、周囲を照らす存在であれというメッセージなのです。

『仕事に誇りを持つということ』
そのためには、自分の仕事に誇りを持ち、働くことの意義を見出すことが大切です。
誇りを持てば、おのずと立ち居振る舞いが定まり、どんな環境にあっても迷わずに進むことができます。
私自身、この会社に入り、いまの仕事と出会いました。
長年取り組む中で、最初はクライアントの喜ぶ顔を見ることでやりがいを感じていました。
しかし、当然ながら仕事は順風満帆ではありません。
うまくいかず、お叱りを受けることもありました。
そんな時、「自分はこの仕事に向いていないのではないか」「ほかの仕事のほうがいいのではないか」と迷うこともありました。
自信をなくし、誇りさえ見失いかけたことも一度や二度ではありません。

『支え合うことで、花は咲く』
それでも、何十年もこの仕事を続けられたのは、失いかけた自信や誇りを完全に手放さなかったからです。
そして、それを支えてくれたのは、仲間や先輩たちの存在でした。
彼らは私にとって、まさに泉であり、花でした。
つまずいたときに助けてくれ、励ましてくれたことで、私はまた立ち上がることができました。
今振り返ると、共に働く仲間同士が手を取り合い、支え合うことこそが、松下氏の説く「花や泉のように生きる」ということだったのだと実感します。

『慌てず、淡々と、そして凛として』
いま私たちが生きる時代は、先が読めず、何が起こるかわからない不確実性に満ちています。
しかし、どんな状況でも慌てることなく、自分の仕事を淡々とこなし、社会に貢献する姿勢を持ち続けることこそが、周囲の人々にとっての希望や安らぎとなるのです。
私たち一人ひとりが、花のように、泉のように生きること。
その姿勢が、やがて周囲をも励まし、支えとなる。
そう信じて、今日も誇りを持って仕事に向き合いたいと思います。
さて、あなたはどんな花として、どんな泉として、周囲を照らしますか?

「『道をひらく』(松下幸之助 著)を読む 22」➩

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