『道をひらく』(松下幸之助 著)を読む 22
日々を新鮮な心で迎えるために:「本領を生かす」
人は誰しも完全無欠ではありません。
それにもかかわらず、時として私たちは自分にも他人にも完璧を求めてしまいます。
その結果、必要以上に苦しみ、悩むことになるのです。
松下幸之助氏は、人にはそれぞれ固有の個性があり、それは変えがたいものであると述べています。
松の木には松の花が咲き、桜の木には桜の花が咲く。
牛や馬もそれぞれ特有の鳴き声を持ち、決して別のものにはなりません。
これは自然界の摂理であり、人間もまた同じです。
私たちが目指すべきは、完璧を求めることではなく、自分の本領を最大限に生かすこと。
そして、周囲の人々と調和しながら、それぞれの強みを活かし合うことなのです。
『組織の成長は「個性を生かす」ことから』
会社経営において、新しい社員の採用は非常に重要な活動です。
わが社にも、実にさまざまな個性を持つ社員がいます。
それぞれの適性や強みを最大限に活かすことこそが、人事の要となるのです。
不得意なことを無理に克服させるのではなく、強みを伸ばし、それを組織の中で活かせる環境を整える。
そうすれば、お互いの不足を補い合いながら、謙虚な心で協力し合う組織が生まれます。
結果として、働く人々も、会社そのものも繁栄していくのです。
『「強みを活かす経営」が生き残る秘訣』
振り返れば、少人数のわが社が長年この業界で生き残ってこられたのは、社員一人ひとりの個性と適性を尊重してきたからかもしれません。
「この人には何をしてもらおうか」ではなく、「この人が最も輝ける場所はどこか」。
そう考えて人材を配置し、生き生きと働ける組織づくりを意識してきたからこそ、困難な時代の中でも前進し続けることができたのです。
人は、それぞれが持つ才能や個性を最大限に発揮するとき、最も輝きます。
そして、それを支え合い、協力し合う組織は、どんな変化の波にも柔軟に適応し、成長し続けることができるのです。
さて、あなた自身の「本領」は何でしょうか?
そして、それを最大限に活かせし、輝ける場所は、どこにあるでしょうか?