日々を新鮮な心で迎えるために:「くふうする生活」

松下幸之助氏は、茶わん一つ、ペン一本に至るまで、すべては先人たちの「くふう」の結晶であると述べています。
普段、私たちは当たり前のように道具を使い、生活を送っていますが、その裏には、数えきれない試行錯誤と工夫の積み重ねがあるのです。
この考え方は、仕事に対する姿勢にもそのまま当てはまります。
昨日と同じ作業を漫然と繰り返すのではなく、「もっと良くできる方法はないか?」と問い続けることが大切です。
例え失敗しても、それを恐れる必要はありません。
むしろ、過去のやり方を破り、新しい方法を生み出すことこそが、真の成長につながるのです。

『ルーティンに埋もれず、仕事を進化させる』
私が駆け出しの頃、先輩から引き継いだ仕事は、「教えられた通りにやるのが正しい」と思っていました。
勝手にやり方を変えてはいけないとさえ考えていたのです。
その結果、仕事は単なるルーティンワークとなり、工夫する余地すら考えなくなっていました。
しかし、経験を積むにつれて仕事量が増え、熟練だけでは追いつかなくなってきます。
そこでようやく、効率化を考えるようになりました。
振り返ってみると、「もっと早く気づけばよかったな」と思いますが(笑)、それからはどんな仕事でも効率化はもちろん、価値を高める方法を考える習慣が身につきました。
たとえば、単なるデータ集計の作業でも、「このデータは何のために使われるのか?どうすればもっと有益な情報にできるか?」と考えるようになったのです。
すると、ただの作業が、価値を生み出す仕事へと変わりました。

『小さな工夫が、大きな繁栄を生む』
どんな仕事でも、「昨日より今日を少しでも良くする」という意識を持つことが重要です。
たとえ小さな工夫でも、それを積み重ねることで、個人の成長だけでなく、組織全体の進化につながります。
もし、多くの人が「昨日と同じことを繰り返すまい」と意識し行動すれば、それはやがて大きな変革を生み、社会全体の繁栄へとつながっていくでしょう。
日々の仕事に、どんな小さな工夫を加えられるか。
今日も、新しい「くふう」を見つける一日をはじめましょう。

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