日々を新鮮な心で迎えるために:「なぜ」

松下幸之助氏が繰り返し説いたのは、「なぜ」と問い続けることの重要性です。
その問いには、物事の本質を見極め、成長への扉を開く力があるといいます。
驚くべきは、松下氏自身が現役の経営者として頂点に立つ存在でありながら、若い社員に対しても偉ぶることなく、素直に「なぜ」と問いかけ続けたということです。
その問い方は、まるで子供のように無垢で、一生懸命で、熱心なものでした。
たとえ一度答えを得たとしても、納得がいかなければ何度でも問い直し、自ら深く考え抜く。
これこそが、松下氏が信じた成長の道であり、成功の鍵でした。

『知らないことを恐れない勇気』
私自身も経営者として歩み始めた頃、同じように「なぜ」と問わなければならない場面に数多く直面しました。
初めて経営を任されたときは、右も左もわからず、先代社長や先輩役員、同僚や部下、顧問税理士、さらには取引銀行や取引先など、あらゆる人々に助けを求めました。
当時の私は、知らないことを恥じる暇すらありませんでした。むしろ、素直に「わからない」と認め、教えを請うことで、何とか事業を前に進めていました。
それほど追い詰められた状況だったからこそ、余計なプライドや恥ずかしさに囚われる余裕などなかったのです。
しかし、いくら多くの人に助けてもらえる環境にいても、最後に待ち受けるのは、自分一人で決断しなければならない問題です。
誰にも相談できず、一人で頭を抱え、深く悩み抜く――その試練を越えたとき、私は初めて経営者として一歩成長したと実感できました。

『「なぜ」を問う力が道を拓く』
松下氏が語る「なぜ」の力とは、ただ疑問を持つことではありません。
素直な心で問い、自ら考え抜き、最終的にはその答えをもとに行動に移すこと。
このプロセスを繰り返すことで、人は学び、成長していくのです。そして、それが経営者としての力量を高め、会社を存続・発展させる基盤となります。
「なぜ」と問うことは、すべての始まりです。「なぜこの方法なのか?」「なぜこの結果が出たのか?」という問いを続けることで、問題の本質が浮き彫りになり、次の一手が見えてきます。
松下氏は、この問いかけこそが成功への扉を開く鍵だと教えてくれます。

『あなたも「なぜ」と問うてみませんか?』
ビジネスの世界では、答えが一つではない問題が数多く存在します。
そのとき、あなた自身はどれだけ「なぜ」と問い、深く考えているでしょうか?
問い続けることを恐れず、素直な心で向き合えば、必ず新たな発見と成長が待っています。
「なぜ」と問う力。それは経営者だけでなく、すべてのビジネスパーソンにとって、未来を切り拓くための最強の武器となるのです。
あなたも、今日から「なぜ」を問いかける習慣を始めてみませんか?
その一歩が、あなたの未来を大きく変えるかもしれません。

「『道をひらく』(松下幸之助 著)を読む 21」➩

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