『道をひらく』(松下幸之助 著)を読む 15
日々を新鮮な心で迎えるために:「視野を広く」
松下幸之助氏は「視野を広げよ」と言いますが、その示唆は深く、360度、つまり前後左右すべてに目を配る重要性を説いています。
人生は広く長い旅路です。
その中で、狭い視野に固執してしまえば、進むべき道も見えにくくなり、息苦しさを覚えることも多いでしょう。
しかし、視野を広げることで、周囲がよりよく見渡せるようになり、解決策も自然に見えてくるのです。
松下氏の「全方位の視野」は、真の柔軟な考え方、つまり自由で多角的な見解を得るための鍵だと感じます。
私もこれまでの経営の中で、日々の問題解決に追われ、つい目先の課題にばかり気を取られてしまった経験があります。
目の前のことにのみ意識が集中すると、視野が狭くなり、周囲が見えなくなることが少なくありません。
その結果、対処法も固定的になり、かえって解決が遠のくこともありました。
松下氏の示唆するように、もしもっと冷静に360度見渡せていれば、状況の全貌が見え、もっと的確で柔軟な解決策が取れたかもしれないと感じます。
松下氏は最後に「お互いの繁栄、平和、幸福のために、誰もが広い視野を持つべきである」と述べています。
これは、他者と協力し、共に成長し合うための大切な心構えです。
今この瞬間こそ、自らの視野を広げ、まわりの環境や人々を丁寧に見渡しながら、共に明るい未来へと進んでいくことが求められているのです。