『道をひらく』(松下幸之助 著)を読む 13
「運命を切り開くために」の振り返り
最初の大きな章である「運命を切り開くために」を読み終えました。
いかがでしたでしょうか。
心に響く教訓は得られましたでしょうか?
この中にある小さな章について、私なりに内容を短く要約してみました。
「道」:道とは自分が歩む人生のこと。自分しか歩めない道を堂々と歩こう。
「素直に生きる」:無為自然の境地で生きる。すべてを受け入れて生きる。
「志を立てよう」:目標を持つ。それを命がけで達成しようと努力する。
「手さぐりの人性」:先入観を持たず真剣に生きる。一歩一歩踏みしめて。
「自然とともに」:自然のサイクルに逆らわないこと。人を育てて後進に道を譲る。
「さまざま」:同じ人間だけの世の中はつまらない。違いがあればこそ良き世の中になる。
「真剣勝負」:ミスは仕方ないと思わない。犯したら命がないと覚悟する。
「若葉の峠」:峠とは人生における出来事である。覚悟して全ての出来事を楽しむ。
「是非善悪以前」:自分の体も才能も全て天からのギフト。自分ではなく他人のために使う。
「病を味わう」:死に病は一度きり。そのほかの病気はすべて自分の生き方を正す指針である。
「生と死」:生きるとは死に近づくこと。生と死は一体なので毎日が生き死にかかわっている。
以上のことから、松下幸之助氏はこの章では次のことを言いたかったのではないでしょうか。
「自分なりの人生を命がけで生きる」、もっと言えば「命がけで取り組む」と。
そして最後にある締めくくりの文章を引用します。
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この日本の国に
活力にみちた青春をもたらさねばならない
勤労者も 学生も
経営者も 家庭の主婦も
あらゆる職業の あらゆる人びとが
自分の殻をぬぎすてて
みずみずしい光のなかへ躍り出よう
日本人すべての 平和と幸福と繁栄の道を
躍動する心で 今こそ真剣に考えるのだ
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これを読んで、今の日本にそのままいえることではないかと、衝撃を受けました。
今の日本の状況を松下幸之助氏が予想していたのか、あるいは当時の日本も今と同じ状況に置かれていたのか?
いずれにしても、今彼が生きていたら、この日本の状況を見てどんな言葉を発するのだろうか。
叶わぬことだが、本当にお尋ねしたいものです。