運命を切り開くために:「若葉の峠」

松下幸之助氏は、人生を「果てしもない旅路」とし、その中に「峠」という存在が絶えず現れると述べています。
この峠とは、人生に起こるあらゆる「出来事」を指しているのではないでしょうか。
良いこともあれば、悲しみもある。
喜びも、困難も。
その全てが人生の峠なのです。
そして幸之助氏は、その峠を「元気で懸命に越えていくことが、旅路を歩むための術である」と教えてくれます。

振り返ってみると、私の人生も峠の連続でした。
経営者になってからの道は、決して平坦ではありませんでした。むしろ、厳しい上り坂ばかりのように感じたこともあります。
特に、私は経営者になりたくてなったわけではなく、半ば運命に導かれるようにしてその役割を引き受けました。
そのため、やってくる「峠」に対して、時には怒りや不満を感じ、立ち向かうことに疲れ果てたこともあります。
しかし、何度も立ち止まりながらも、それでも前に進み続けました。

最初はエネルギーを無駄に消耗してしまい、心身ともに健康を害したこともあります。
それでも、気づけば次の峠が目の前に現れ、その都度、一つ一つをなんとか乗り越えてきました。
今、振り返ると、よくもこんなに頑張れたものだと自分に感心するところもありますが、それ以上に「運がよかった」と感じる部分が大きいです。

しかし、厳しい試練の中に身を置いたからこそ、今の私があります。
もし何もない人生だったとしたら、私の成長もなく、人生そのものが無味乾燥なものになっていたでしょう。
逆境こそが私を強くし、成長の機会を与えてくれたのです。
まさに、人生とは次々と訪れる「峠」に挑戦し続けるものなのだと、今では心からそう思います。

この章のタイトルである「若葉の峠」について考えてみましょう。
「若葉」という言葉には、新たな希望や可能性が感じられます。
つまり、「若葉の峠」とは「希望の峠」であり、私たちはその峠を越えるごとに新たな未来へと歩みを進めているのです。
困難に見えても、その先には必ず希望が待っている。

さあ、私たちは希望を胸に、次の峠へと進んでいきましょう。
人生は、峠の連続ですが、その一つ一つが私たちを成長させ、新しい未来を切り開く力を与えてくれるのです。

 
「『道をひらく』(松下幸之助 著)を読む 10」➩

 
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