【仕事をより向上させるために】:「プロの自覚」

■給料を受け取った瞬間から、プロである
松下幸之助氏は、「プロとは何か」という本質を、きわめて明快に示しています。
学校を卒業して会社や官庁に入れば、まだ十分に仕事ができなくても、最初から給料を受け取ることになります。
多くの人は「これから仕事を覚えていけばいい」と考えるでしょう。
それ自体は間違いではありません。
しかし松下氏は、そこに大事な視点を示します。
給料を受け取ったその瞬間から、すでにあなたはプロである、もはやアマチュアではありません。
お金をいただくということは、その時点で社会から「職業人」として認められたということです。
この自覚を持つかどうかで、その後の成長は決定的に変わります。

■プロとは、その道で対価を得る人間である
プロとは、その道を職業とし、自らの専門性によって社会に価値を提供する人です。
芸能やスポーツの世界では、この区別が非常に厳しい。
実力がなければ、お客様は決してお金を払いません。
観客はシビアです。中途半端な技術や覚悟は、すぐに見抜かれます。
ところが会社員になると、入社したその日から給料が支払われるため、ついこの厳しさを忘れてしまいがちです。
しかし本質は同じです。
会社員もまた、れっきとしたプロフェッショナルです。
毎月いただく給与は、「期待への先払い」ではなく、「社会的責任の対価」なのです。

■プロは、自らを鍛え続ける
一流のスポーツ選手は、日々、技を磨きます。
一流の演奏家は、見えないところで何時間も練習を重ねます。
なぜか。
プロだからです。
お金をいただく以上、昨日と同じ自分でいてはならない、常に成長し、価値を高め続けなければならない。
これは会社員も、経営者も、まったく同じです。
与えられた仕事をただこなすだけでは、プロとは言えません。
どうすればもっと質を高められるか、どうすればより大きな価値を生み出せるか、そこを真剣に考え、研鑽を続ける人だけが、本当のプロとして信頼されます。

■「まだ勉強中」は通用しない
「まだ新人だから」「経験が浅いから」、そうした言い訳は、社会では通用しません。
もちろん、最初から完璧である必要はありません。
けれども、未熟であることを免罪符にしてはならないのです。
未熟なら未熟なりに、誰よりも学ぶ。誰よりも考える。誰よりも誠実に向き合う。
その姿勢こそが、プロとしての第一歩です。

■まず、自分はプロだと認めること
松下幸之助氏の教えは、極めて厳しく、そして本質的です。
給料をもらっている以上、私たちは皆プロなのです。
その自覚を持たずに仕事をすることは、お金をいただきながら責任を果たしていないのと同じです。
まずは、「自分はプロである」とはっきり認めること。
そこからすべてが始まります。
プロとしての誇りを持つ、プロとして自らを鍛える、プロとして結果に責任を持つ。
この覚悟を持ったとき、仕事への姿勢は一変します。
そしてその積み重ねが、やがて揺るぎない実力となり、本物の信頼へとつながっていくのです。


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