【事業をよりよく伸ばすために】:「何でもないこと」

■非凡は、平凡の積み重ねからしか生まれない

松下幸之助氏は、「平凡が非凡に通じる」と語っています。
一見すると地味で、誰にでもできそうなこと、それを当たり前に、しかも愚直に積み重ねていく、その先にこそ、非凡な成果が生まれるのです。
多くの人は、事業の成功には画期的な発想や特別な才能が必要だと思いがちですが、しかし現実は違います。
事業を伸ばす企業に共通しているのは、奇抜な発想ではなく、「何でもないこと」を徹底していることです。
凡事徹底。これこそが繁栄の王道です。

■反省と検討は、商売の基本である
松下氏は、その「何でもないこと」の代表例として、日々の反省と検討を挙げています。
たとえば焼き芋屋が一日の商いを終えたあと、その日の売上を確認する。
なぜ売れたのか、なぜ売れなかったのか、仕入れは適切だったか、焼き加減はどうだったか、接客に問題はなかったか、こうした振り返りを丁寧に行い、翌日に活かす。
この地道な積み重ねこそが、商売を繁盛へと導くのです。
反省なき仕事に、進歩はありません。
昨日と同じことを漫然と繰り返していては、明日は決してよくならないのです。

■発展する企業は、一日の締めくくりをおろそかにしない
これは小さな焼き芋屋に限った話ではありません。
むしろ、扱う商品や顧客が多い企業ほど、一日の振り返りは重要になります。
売上数字を確認する、顧客の反応を分析する、課題を洗い出す、改善策を考える、こうしたことは、どれも「当たり前」の作業です。
しかし、この当たり前を毎日きちんと続けられる企業は、決して多くありません。
事業が伸びるかどうかは、華やかな戦略ではなく、一日の終わりに何をしているかで決まるのです。

■「何でもなくやる」ことは、実は難しい
松下氏は、「何でもないことを何でもなくやる」ことの難しさも指摘しています。
派手な挑戦には人は燃えますが、地味な確認や反省を毎日続けるとなると、多くの人が途中で気を抜いてしまいます。
だからこそ、そこに修練が必要なのです。
習慣にする、仕組みにする、意識して続ける、この継続こそが、平凡を非凡へと変えていきます。

■足元を見つめる者だけが伸びる
私自身、日々の仕事を振り返ると、「何でもないこと」をどこまで丁寧に積み重ねられているか、考えさせられることがあります。
忙しさに追われると、つい振り返りを省略し、「まあいいだろう」と流してしまうこともある。
しかし、その小さな省略の積み重ねが、やがて大きな停滞を生みます。
逆に言えば、足元を見つめ、基本をおろそかにしない者だけが着実に伸びていけるのです。

■事業発展の秘訣は、凡事徹底にある
事業を発展させるために、特別な才能は必ずしも必要ではありません。
必要なのは、誰にでもできることを、誰にも真似できないほど徹底することです。
毎日の反省、毎日の検討、毎日の改善、この地味な積み重ねが、やがて大きな差となって現れます。
松下幸之助氏の教えは明快です。
事業の未来は、「何でもないこと」をどれだけ大切にできるかで決まる。
私たちもまた、足元の小さな実践をおろそかにせず、一つひとつを丁寧に積み重ねていきたいものです。

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