『道をひらく』(松下幸之助著)を読む83 【事業をよりよく伸ばすために】:「ファンがある」
【事業をよりよく伸ばすために】:「ファンがある」
■事業を支えるのは“心強い応援団”である
松下幸之助氏は、芸能界やスポーツ界で活躍する人々には、必ず「ファン」が存在すると説いています。
ファンとは、調子のよい時だけ拍手を送る存在ではありません。
勝っても負けても、うまくいく時も苦しい時も、変わらず応援し続けてくれる存在です。
そして、その存在があるからこそ、人はさらに努力し、芸を磨き、技を鍛え、自らを高めようとします。
ファンの期待が成長の原動力になるのです。
これは芸能人やスポーツ選手だけの話ではありません。
私たちの仕事にも、必ず「ファン」がいます。
■すべての仕事にはファンがいる
会社にも、店にも、個人にも、それぞれを支持し、信頼し、静かに見守ってくれている人がいます。
それは商品やサービスを選んでくださるお客様であり、ともに働く社員であり、取引先であり、陰ながら支えてくれている関係者です。
普段、私たちはその存在を当たり前のように受け止めがちです。
しかし、事業が成り立っているのは、その“応援してくれる人々”がいるからにほかなりません。
この事実を深く認識することが、事業発展の第一歩です。
■ファンを意識した瞬間、仕事は変わる
「自分たちを支えてくれている人は誰か」、この問いを真剣に考えたとき、仕事への姿勢は大きく変わります。
お客様は何を期待しているのか、社員は何を望んでいるのか、取引先は何を信頼して付き合ってくださっているのか、それを考え、その期待に応えようと努力することで、商品もサービスも磨かれていきます。
事業とは、単に利益を上げる活動ではありません。
支持してくださる人の期待に応え続ける営みです。
■感謝が、さらなる繁栄を生む
会社経営において、最も大切なのは「ファンへの感謝」を忘れないことです。
私自身、経営を続ける中で、会社を支えてくれているのはお客様だけではないと痛感してきました。
社員、取引先、地域社会、多くの方々の支えがあって、はじめて事業は成り立っています。
その感謝を具体的な行動で示し、よりよい価値を提供し続ける。
その積み重ねが信頼を育て、さらに強い支持を生みます。
■繁栄の鍵は、ファンを増やすこと
事業を伸ばしたいなら、売上だけを追ってはなりません。
本当に目指すべきは、「この会社を応援したい」「この人に仕事を任せたい」と思ってくれるファンを増やすことです。
そのためには、誠実であること、期待を超えること、感謝を忘れないことです。
松下幸之助氏の教えは明快です。
事業の繁栄とは、ファンとの信頼関係の上に築かれる。
私たちもまた、自分を支えてくれる“力強い応援団”の存在に感謝し、その期待に応える努力を重ねていきたいものです。