『道をひらく』(松下幸之助 著)を読む25
ともによりよく生きるために:「縁あって」
「縁」は偶然に生まれるもの、多くの人がそう考えがちです。
しかし、松下幸之助氏は、縁とは単なる偶然ではなく、個人の意思や希望を超えた大きな力が働いていると説いています。
だからこそ、人と人のつながりを大切にし、感謝の心を持ち、一つひとつの縁を謙虚に喜び合うことが重要だと松下氏は語ります。
日々生まれる人間関係を、「たまたまの出会い」として軽く流すか、「何か意味のある縁」として深めていくか、この意識の違いが、人生やビジネスの結果を大きく左右するのです。
『経営を支えてきた「縁」』
私自身、これまで経営者としての道を歩んできましたが、振り返ると、ここまで大きな困難なくやってこられたのは、紛れもなく「縁」のおかげです。
さまざまな人との出会いが、私にとってのチャンスや支えとなり、結果として事業を発展させる原動力となりました。
出会った人々との関係が広がり、そこから生まれる出来事が物事を前に進め、成果を生み出す、その繰り返しの中で、私はここまでやってこられたのです。
しかし、正直なところ、私は「縁を大切にしよう」「もっと強くしよう」と特別に意識してきたわけではありませんでした。
ただ、避けられない縁、あるいは心に響く縁に対しては、自然と大切にし、育んできた、それだけのことだったように思います。
それでも、もしその時々において、松下氏の言うように「縁の力」をもっと意識的に活かしていたら、さらに良い結果を生み出せたのかもしれません。
『「運がよかった」その本質とは?』
経営者としての私を一言で表すなら、「運がよかっただけの人間」です。
特別な才能があったわけでも、画期的な戦略を生み出したわけでもありません。
しかし、そう考えると「運がよかった」とは、無意識に「縁を大切にしてきた」からこそ生まれた結果だったのかもしれません。
偶然のように見える出会いも、実は運命が用意した必然の縁。
その縁をどう活かし、どのように発展させるか、そこに意識を向けることができれば、人生やビジネスはより豊かに、より力強く開かれていくでしょう。
『縁を「意識的に」活かすということ』
私のように「たまたま縁に恵まれた」という生き方もあるかもしれません。
しかし、皆さんには「縁を意識的に大切にする」ことをおすすめします。
そうすることで、自らの可能性を広げ、より確かな成功へとつながる道が見えてくるからです。
ビジネスの世界では、一つの出会いが事業の転機になることが少なくありません。
また、人生においても「この人と出会っていなければ、今の自分はなかった」と思える瞬間が、誰しもあるはずです。
そうした縁をただの偶然と流すのか、それとも必然として深めていくのか・・・。
この意識の違いが、未来を大きく変えていくのです。
縁を大切にすること。
それは「人とのつながりを深め、人生やビジネスの可能性を最大限に引き出す」ことにほかなりません。
今、あなたの目の前にある縁を、ぜひ大切にしてください。
それが、未来を切り開く大きな力となるはずです。