『道をひらく』(松下幸之助著)を読む58 【自信を失ったときに】:「転んでも」
自信を失ったときに:「転んでも」
■ 七転び八起きでは足りない
「七転び八起き」という言葉がある。
何度失敗しても、最後に立ち上がればよいという励ましだ。
だが、松下幸之助氏の教えは、そこに安住するなと語る。
大切なのは回数ではない。
転んだときに、何に気づいたかである。
■ 失敗は“回数”ではなく“学習量”で決まる
一度転んでも原因に気づかなければ、二度でも三度でも同じところでつまずく。
回数を重ねても、成長はない。
だからこそ必要なのは、一度の失敗で学び切る姿勢だ。
なぜ失敗したのか。
何が足りなかったのか。
次に活かせるヒントは何か。
「転んでもただでは起きぬ」とは、失敗から必ず何かを持ち帰る覚悟のことである。
■ 恐れるべきは失敗ではない
では、その覚悟はどこから生まれるのか。
松下氏は言う。
恐れるべきは失敗ではなく、真剣でないことだ。
本気で向き合った仕事なら、失敗は必ず糧になる。
しかし、どこかに甘さがあれば、失敗はただの痛みで終わる。
似たようなミスを繰り返していないだろうか。
「忙しかった」「運が悪かった」と言い訳していないだろうか。
失敗の本質は、能力不足よりも、真剣度の不足にあることが多い。
■ 二度と同じ失敗をしない覚悟
特に経営を担う立場であればなおさらだ。
私自身、耳が痛い事であるが、同じ失敗を繰り返すことは、責任放棄に等しい。
それだけ大きな責任を背負っていることの自覚があったかといえば・・・。
それは経営者に限らず、すべてのビジネスパーソンに当てはまるのではないか。
一度の失敗で学び切る人が増えれば、組織は無駄を減らし、質を高め、確実に強くなる。
■ 自信を失ったときこそ問う
自信を失ったときこそ、問い直したい。
自分は、どれだけ真剣だったか。
この失敗から、何を持ち帰るのか。
転ぶことは避けられない。
だが、何も得ずに立ち上がることだけは避けられる。
そこから、道はひらける。