『道をひらく』(松下幸之助著)を読む45
みずから決断を下すときに:「世の宝」
「仕事は誰のものか」――“世の宝”という視点
戦国時代、明智左馬之助光春という武将がいました。
敵に城を囲まれ、もはやこれまでと観念したとき、彼は城にあった秘蔵の名器を敵に託します。
「これは私のものではなく、世の宝である」と。
死を目前にしてなお、公に立った判断を下した光春の姿に、松下幸之助氏は「日本人の真価が表れている」と述べています。
私たちはどうでしょうか。
日々の仕事を「自分だけのもの」と思い込んでいないでしょうか。
「これは私の仕事だ」「この会社は私が創業したのだ」と。
しかし、どんな仕事も突き詰めれば人々の暮らしを支え、世の中に役立つからこそ存在しているのです。
つまり仕事とは、あなた個人の所有物ではなく「世の宝」なのです。
「私の仕事」から「公の使命」へ
• 苦労して築いた成果も、あの世に持っていけるものではない
• 仕事は自分の都合ではなく、社会の役割を果たすためにある
• 私心にとらわれれば、仕事の本質を見失う
松下幸之助氏は、日々の仕事を「世の宝」と捉えることが、人間としての誇りを生み、より大きな責任感をもたらすと説きます。
今日からできる“世の宝”の仕事術
1. 「誰のための仕事か?」を問いかける
→ 自分の利益ではなく、社会の喜びを想像する。
2. 成果を独り占めしない
→ チームや社会に還元する発想を持つ。
3. 誇りを持って取り組む
→ 「自分の仕事は世の宝である」と胸を張る。
仕事に誇りを
私たちの仕事は、世の中の人々のために存在しています。
もし仕事を「自分のもの」と抱え込むなら、その価値は小さく閉じてしまうでしょう。
しかし「世の宝」として捉えるなら――その仕事は、未来を照らす光になります。
あなたの目の前の仕事も、すでに「世の宝」です。
その誇りを胸に、明日からの一歩を踏み出してみませんか。